心地良いバランス

学業や仕事に集中していたころは、自分中心に物事を考えることができていて、その時々の大事なことに全力を尽くすことで、満足感や優越感を得られていた。

 

それから数年が経ち、様々な経験を積んで、少しずつ価値観に変化を感じ始めた。

 

バランスを取ることはすごく難しい。一点に集中することのほうが遥かに容易で、結果もわかりやすい。ただ、今の自分にとって、バランスこそが、utilityを最大限に感じられるstateなのだろう。


仕事を効率良く終え、達成感を感じ。

ジムで体を鍛え、達成感を感じ。

家で観たかった映画をゆっくり鑑賞し、fulfillmentを感じる。


これを共感できる人と出会えたことはとてもラッキーなことだと感じながら、香港からの帰りの飛行機で目を閉じながら考えていた。

On the train

試練なんだと思うことにする。新幹線の窓を見つめて思う。


普段の生活を離れて遠い場所の仕事をしに行くこと。そもそも行きたいなんて思っていなかったし、なぜ自分が?と思わずにはいられない。


世間の働き方改革の流れに完全に逆行するような働き方をしている自分が情けない。ストレスにどう対処していいかわからない。


でも、ネガティブに考えると日々の表情までが曇ってしまいそうで、ポジティブに考えることにした。

だからこれは、試練で、有限で、何かと引き換えにしていること。


普段の生活のありがたさを思うと同時に、好きな人がそばにいないという状態を長引かせるのだけはやめようと思う。


それが実現されないならば、なんのために働いているのか分からないから。

This Summer

仕事で土日がつぶれていたころ。日曜夜になるのが怖くて焦ってばかりいたころ。そんな時期を乗り越えて、30代になった。

 

30代になるとどんなふうに自分が変わるのかわからなかった。わかっていたのは、家の中で過ごす時間が増えるだろうということと、新しい人間関係を作るのが難しくなるだろうということ。いまはそのどちらも確かに当てはまっている。それは大事な人や大事なことを見つけて、それらをさらに大事なものに育てていくために起こることなのかもしれないと思うようになった。

 

疲れやすくなり、眠ることが大切になる。20代のころのようにはいかない。でもそのステージはもう終わって、人生の新しい過ごし方を見つけていく時期なのかもしれない。

 

あまり行かない街を散歩して、空を見て夏だなあって話して、白ワインを飲む。若い時はずっと、将来何かになるために生きていくと思っていたけれど、いまのような、こういう夏をずっと過ごしていきたいと思った。

Time flies

ふと、立ち止まる日があった。


朝起き、果物を食べて、会社に行く準備をして、いつもの駅まで歩き、変化する季節を感じ、会社で仕事をした後、ご飯を食べ、ジムに行き、就寝前に本を読んだり、映画を観る。

 

時間の流れはrelativeで、置かれている環境や気持ちの持ちようによって感じ方は変わる。


自分に少しブレーキをかけて、少し立ち止まってみてもいいのかもしれない。


これからの長い人生をただ”あっという間”っと感じるのではなく、”楽しくて、色々経験もして、ストレスなくあっという間”っと感じたい。


その為にも、自己分析(好きなこと、苦手なこと、得意なこと、自分が満足感を見いだすattributes)をもう一度意識的にして、新たな気持ちを持って時間を感じたい。

 

Well-beingとは

Brand New Days

 通っていた大学のホームカミングデーに行った。

 

食堂のメニューボードの横に貼ってあったメモには、“寒かったら上着を着ましょう”、“ちゃんと眠れていますか?”、“バランスよい食事をしましょう”と書かれていた。それを見て少し涙ぐんでしまった僕。

 

なぜなら、きっと自分もその一人だったから。

 

友達なんか誰もいない、知り合いもほとんどいない。そんな場所で、健康に、楽しく生活できることってどんなに大変な、どんなにラッキーなことなんだろうか。自分一人の力じゃ到底実現できない偶然が重なった状態でしかないのかもしれない。

 

たとえば朝起きて、仕事に行き、ボーイフレンドと帰りに落ち合って食事をして、ダブルベッドのある自宅に帰る。そんな自分にとっては当たり前の日々が、18歳や19歳の若者からしたらいつか手に入れたい生活そのものだったりするのかもしれない。

 

新しすぎる毎日、新しすぎる世界に順応するためには体力がいるし、ある意味での無知が必要。これからの30代は、少し違った形で、新しい世界や価値観と向き合っていけたらとっても素晴らしいことなんじゃないかと、あのころ毎日キャンパスから眺めていた西新宿のビル街を見ながら思った。

 

looking back

旅行帰りの昨日、彼が十代の頃よく観ていたというドラマを観ていた。年の近い彼がこれを観ながらいろんなことを考え、憧れ、将来に期待したであろうと容易に想像ができた。


同様に同じ頃、沢山の映画やドラマを観て、まだみない今後の人生に強い期待をしていたことを思い出した。将来の仕事、住んでいる家や街、週末の過ごし方や恋愛など。


それを軸に今できること、やらないといけないことを何となく意識をして過ごしてきた。


もちろん、思い通りに行っていることばかりではない。(”土日の午前はエッグベネディクトを出すレストランで本を読みながら過ごす” これは二十代前半はできていたのに… 残念) ただ、充実感は得られてきたと思う。

 

年々保守的になりつつある自分の考えをもう一度考え直す機会に触れ、やはり、沢山のことに期待しながら”look forward”して生きる自分でありたいっと改めて思う。


あと、自分の中にしまい込んでいるものを上手に出せるように。

 

 

 

Open Up

誰かと親密になるということに怖さがある。

 

自分をさらけ出して、慣れと倦怠が始まる感じが怖い。それを愛だという人もいる。着込んだ服からしわが取れなくなるように、だんだんと汚れていくのを見るのがとてもつらい。

 

人間関係がブツンと切れる音を聞いたことがある。それはとても僕にはショックだった。どうしたらそんな音を聞かなくてよいのかを考えて自分の心に何重にも乾いた膜を張るようになった。

 

落ち込んで立ち直るサイクルを短縮させるために、落ち込まなくていいプロセスを編み出す。そういうことがとてもうまくなっていった。

 

心を開いて、という歌が好きと言われて何度も聴いているけれど、まだ心を開けてない自分がいるんだろうか。そしてそれはこれからの人生で僕が取り組んでいくことなんだなと思う。誰かと真剣に話すと自分が見えてくる。自分の気づいていなかったことに、気づく。

 

それが付き合うということなんだと思うし、親密になるということなんだと思う。